DPRアクティブメンテナンス

危険!DPFが詰まった状態で走り続ける事の大きなリスク

 

 

今回は、触媒などを分解後、洗浄不可となった事例を紹介し、

なぜ破損し洗浄不可な状態にまで至ってしまったのかという事と、

どのようにメンテナンスしていれば、高額部品を洗浄再生にて整備費用を削減し

トラックを使い続けられたのかという事を、

整備工場の立場からくわしく解説していきます。

 

DPRアクティブメンテナンス®施工の事例を紹介

車輌情報

車  名  :UD コンドル H18年登録

型  式  :PB-MK36A

エンジン型式:J07E

走行距離  :692,000km

 

不具合状態

手動再生が1日2~3回発生する状態

エンジンの吹けも良くないしパワーもなくなったそう。

普通に走るけど、再生の都度30分前後停車していないといけなく、

仕事で使うには支障があると ご相談いただきました。

頻繁に手動再生の指示が入るという事で、触媒が相当詰まっていると推測できる。年式、走行距離、整備履歴から触媒の状態が心配される車輌でした。

『DPRアクティブメンテナンス®』のサービス内容はこちら

 

 

点検項目

「DPRアクティブメンテナンス®」では、以下の項目を重点的に点検します。

  • エラーコード確認
  • エアフィルターの状態
  • エンジン排圧確認
  • 前負荷時の吸入空気量点検
  • インテークマニホールド圧点検
  • インジェクター補正値点検
  • 強制再生前、再生中、再生後の各部状態(差圧値、再生時間、各部温度、エンジン回転数)
  • 黒煙濃度
  • バタフライの状態
  • EGRバルブ作動状態
  • ターボの状態

これらの情報を総合的に判断して診断します。

診断の結果、施工メニューを決定していきます。

 

メニュー決定の前提となる考え方がこちらです。↓

なるべく新車基準まで復元する

その時は異常が無くても、1~2か月後不具合が再発するのでは全く意味がないという事

交換しなくてはいけない物は交換、洗浄再生し再使用できる物は再使用する、修理出来る物は修理する。

社内で完全施工することで無駄なアイドルタイムを無くし、極限まで工期を短縮する

最高の整備品質を、費用を抑え短納期で提供するというコンセプトのサービス

それが『DPRアクティブメンテナンス®』です。

診断結果

エラーコード      : 無し

強制再生前差圧値    : 15.0kPa

強制再生後差圧値    : 13.7kPa

EGRバルブ       :  作動不良

EGRクーラー     : 詰まり過剰

強制再生後の差圧値がさほど低下していないことから、アッシュが相当堆積しているか、触媒自体の溶損、破損の可能性もありますね

主な施工内容

DPF取替 

EGRクーラー取替 

EGRバルブ洗浄再生

インジェクター清掃

工期:2日間

 

 

施工結果

エラーコード : 検出無し

差圧値    : 0.9kPa

EGRバルブ : 作動良好

施工後状態良好

 

なぜ、触媒が溶損破損してしまったのか

結論

触媒が詰まっている状態で長期間使用を続けた事で、触媒本体が劣化し損傷してしまうに至ってしまった。

再生モードに移行すると、触媒本体は600℃ほどまで上昇します。

 

触媒が詰まるイメージはこちらです

 

ディーゼルエンジンは燃焼の過程で黒煙、ススがどうしても発生してしまいます。

そのススを、DPFで捕集して外部に排出しない構造になっています。

そのススが規定量を超えると「再生」と言って、ススを焼き払う機能が備わっているのです。

 

再生のメカニズム

これらの、「再生」を簡単に言うと、マフラー内でススを強制的に焼き払う機能です。

その時マフラー内は600℃ほどまで上昇するわけです。

 

ポイントとなるのは手動再生です

 

手動再生インターバルが短くなってきたら要注意!

前段の「自動再生」は走行400キロから500キロでモード移行します。

この自動再生を繰り返し、一定の条件をに当てはまると、指示ランプが点灯し

車を停車して燃焼再生を行うよう指示が、車輌から運転者に発信されます。

これが「手動再生」です。

 

乗り始めは月に1~2回程度のだったものが、週1回、一日1回

とサイクルが短くなっていきます。

更にそのうち、一回の再生時間が20分程度だったものが、30分、40分と長くなってくると

危険状態といえます。

 

更に詰りが進むと、手動再生不能になる事があります。

チェックランプ点灯です

 

ボタンを押しても再生モードに移行しない現象です。

こうなると整備工場で専用コンピューターを接続し「強制再生」となります

強制再生で差圧値が軽減するうちはまだ走れますが、差圧値がだんだん下がらなくなっていきます。

それは、アッシュがどんどん堆積していっている状態です。

「アッシュ」とは

焼き払ったススが、少量の灰となりフィルターに残留し堆積していきます。

その灰は俗に「アッシュ」と呼ばれています。

灰が堆積していく過程で「硫酸カルシウム」という成分のかたまりとなり詰まっていきます。

この「アッシュ」が問題なんです!

アッシュは、再生で燃えませんし、添加剤では決して除去できません。

※アッシュがびっちり詰まった状態

 

※添加剤は、発生するスス量を軽減させたり、再生にて燃焼しやすくさせたりする効果があります。

 

触媒が破損する原因

さて、いったん手動再生頻度が短くなり始めてから、何回再生(燃焼)させるでしょうか

600℃以上になる燃焼を長期間繰り返すことで、触媒本体が劣化していきます。

一日複数回、それを毎日高温で焼いていたら、いくら熱に強いセラミック素材で作られていたとしても、さすがに劣化していきます。

最終的に熱が当たる面からボロボロと崩れ、素材が破壊されてしまいます。

 

エフテックが提案するメンテナンスのポイント

結論

触媒フィルターの捕集能力いっぱいまで使用を続けない事です。

不具合いの症状が出る手前で、適正に洗浄することで触媒本体の寿命を延ばします。

排出ガス後処理装置は関連する各部が相関して作用しているので、DPFだけに着目していてはいけません。

入口から出口までスムーズに流れている状態が正常

どこかに不具合が生じると、関連部位に異常が発生していくのです

 

詰まる部位はDPFだけではありません。

さらに、オイル上がりやターボ不良、インジェクターの不良状態でいくらDPFをキレイにしてもあまり意味がありません。

つまるところ、自動車の構造機能を正しく理解し、各部位を正しく点検整備することで車輌の健康寿命を延ばす事になります。

まとめ

 

ディーゼルエンジンは、どうしても黒煙ススが発生してしまいます。

環境に有害な排出ガスの大気開放が国際的に禁止されているので、高性能な排出ガス後処理装置を搭載し、排気ガスは浄化されて排出されています。これは全世界共通です。

しかし、後処理装置の捕集能力限度を超えた状態で走行を続けることによって、必要以上に手動再生、強制再生を繰り返し、触媒本体を劣化させ、破損させてしまうというのです。

そして、最適なタイミングで、適正な洗浄を施す事で、高額部品を交換することなく調子よく走り続ける事ができるという事です。

それを実行できるのが、整備工場の役割だと思っています。

エフテックは、自動車整備を通じて物流、環境に貢献します。

お問合わせ、ご相談お待ちしております。

 

 

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